さて前回は、英語教師として、私が我が子の英語教育についてどう捉えているのか、というお話をさせていただきました。バイリンガルに育てようとはしていない、英語がやりたいと思った時に苦労せずに英語が習得できる素地は作りつつも、思考力や経験を重視したいと考えている、とお伝えしました。
では、子どもが英語をやりたい、と思ったときに、そんなに苦労せずに英語が習得できる素地とはなんでしょう?今日は、私がそのために普段から意識してやっていることをお伝えします。
英語の音を身近に

人間の耳は幼いうちが一番いいと言われています。
全ての言語の音を聞き取ることができる「無敵状態」から、日本語なら日本語の音の中で過ごしているうちに、日本語にない音については鈍感になっていくのだそうです。
例えば日本人にとってはLとRの音の区別がつきにくい、と言われますが、それって、日本語にはそういう区別がないので、違いを聞き取ることにおいては鈍感になっている、ということなんです。
さすがに全ての言語の音を聞き分ける必要はないとも思うので、他の言語はちょっと置いておいて、私は英語の音は幼いうちから(お腹にいる時から)聞かせるようにしてきました。
それは、BGMみたいな感じで流すだけでもいいと思います。そんな音があるんだな、と音で耳を刺激しておく感じです。子ども向けの歌を流したり、洋楽を流したり、英語のラジオを流してみたり、英語の音が日常にある状態を作っています。
英語の文字には英語の音

日本語のひらがなを一通り覚えた子どもたちは、「あ、これは英語」となんとなくアルファベットを認識し始めます。
日本語の絵本と並べて、英語の絵本も本棚に入れておくと、気になってページをめくったり、絵を見たりするので、そこで英語で読み聞かせてみたり、【フォニックス】という文字と音とのルールについて、動画や歌で子どもたちに伝えました。
一文字ずつの音を組み合わせて、単語を読んだり、色んな絵本に同じ単語が出てきたり、何度も出会ううちになんとなく読めたりしてくると、「読める」という自信が、英語に対するポジティブな気持ちを育ててくれているようです。
英語が日常にある環境

我が家では、歌、絵本、英語のものが日本語のものに混ざって普通に家の中に存在しています。
おもちゃ箱には英語のカードゲームも入っています。時には日本語で、時には英語で、楽しければ子どもはやります。突然思い立って、英語で話すときもあれば、全然話さない日もある。でも英語は毎日の生活に密着して存在しているんです。
- 英語は身近なもの
- 英語は難しくない
- 英語はなんだか楽しい
この思いを確立できたら、英語学習ってスムーズにいくと思うんです。
実際に小5の娘は、英語を話すことへの抵抗が全くなく、オンラインの英会話に挑戦した時も、ガンガン手を挙げて発言している姿に、親の私がびっくり、そして嬉しく、誇らしく思いました。
お子さんが幼いうちにやってほしいこと
英語学習の素地としてやっておいてほしいことは3つ。
- 英語の音をたくさん聞かせてあげる
- 英語の文字と音を結びつける体験をさせてあげる
- 日常的に英語に触れられる環境を整えてあげる

本格的に英語を勉強したい!となったときに、この素地が整っていれば、大きな苦労をせずに学習が進みます。そして、それを整えられるのは学校でも英会話スクールでもなく、ご家庭なんです。